1型と2型がある介護医療院とはどんなものか

 高齢者用の福祉施設としては、特養などの老人ホームが知られていますが、このほかに介護医療院という介護施設もあります。介護医療院はその名の通り、介護と医療の両方のサービスを提供する福祉施設です。病院に長期入院したまま出られなくなった高齢の患者の受け皿として、介護医療院が開設されました。介護医療院は、身体が不自由でかつ疾病を抱える高齢者が、介護と医療のケアを両方受けながら生活できるよう設計されているのです。介護を必要とする人は要介護者と呼ばれ、要介護度によって身体の不自由度が分けられています。

 特に、喉に痰がからんで補助がないと排出できない人や、自力で咀嚼して食物を飲み込めない人たちのため、喀痰吸引や経管栄養といった処置が行える点が特徴的と言えるでしょう。このため、介護医療院には医師や看護師といった医療従事者が常駐していますが、病院のように大部屋で患者が集団生活をしている訳ではありません。介護医療院に入っている高齢者は、それぞれパーティションで区切られたプライベートな空間の中で生活できるよう配慮されているのです。

 介護医療院には1型と2型があり、1型には比較的重度の要介護者が入居しています。これに比べ、2型には軽度の要介護者が入り、自立を目指してリハビリなどを中心とした生活を送っているのです。さらに、1型と2型とは別に、居住区に医療機関を備えた医療外付け型という介護医療院もあります。医療外付け型は、比較的容態が安定した高齢者向けで、有料老人ホームと同様に一定の広さを持った個室に居住できます。